Oracle Academyで作る違い
糠盛 創
今回のスポットライトは、日本電子専門学校の糠盛創様に当たります。
東京新宿に位置する日本電子専門学校(Japan Electronics College, JEC)は、コンピュータ、電気、電子工学を専門とする職業教育機関です。同校には、コンピュータグラフィックス、アニメーション、ゲーム開発、情報処理、デジタルトランスフォーメーション、電気工学など、9分野25学科が設置されており、年間およそ3,000名の学生が学んでいます。
日本電子専門学校の教育理念は「新しい時代を創造するエンジニア・クリエイターの育成」。その実現のために、「初心者をプロフェッショナルへ育てる」ことを目標に掲げ、業界経験豊富な教員の採用や、産学連携によるカリキュラム開発を積極的に進めています。その成果として、2025年3月時点で就職率90.7%という高い実績を誇ります。
「クリエイター分野」では、多くの卒業生が大ヒット映画のCG制作に携わり、「IT分野」では、テーマパーク、鉄道、地下鉄、空港、建設業界など、社会のさまざまな現場で活躍しています。さらに2026年度からは、4年制のプロフェッショナル・ゲーム開発コース「高度ゲーム開発科」の新設も発表されました。
日本電子専門学校のすべての学科では、カリキュラムの半分以上を実習中心のスキル教育に充て、理論科目ではコンピュータ操作の基礎やソフトウェアの基礎知識、業界別の専門技術の入門を体系的に学びます。 また、Oracle Academyの設備を備えた実習室も設けられており、同校は日本で初めてOracle Academyの教材を共同カリキュラム開発に採用した教育機関として知られています。これにより、情報処理科および情報システム開発科(2年制・3年制)で、Oracle Academyの教育リソースを活用した授業が実現しています。
教員の糠盛創先生は、データベース、Java、クラウドのリソースを授業に取り入れ、学生がシステムエンジニア、データベースエンジニア、プロジェクトマネージャーとして社会で活躍できるよう指導しています。
早稲田大学で社会科学を学び、卒業後はWeb開発やJava、Linuxを手がけるスタートアップ企業で経験を重ね、ITの現場からキャリアを歩み始めました。20年ほど前に教育の道へ進み、現在は教育者として次世代の人材育成に力を注いでいます。
Oracle Academy: 授業の構成や使用されている教材についてお聞かせいただけますか。
糠盛 創: 私は、学生の時にシステムエンジニアを目指してテクノロジーにとても興味を持っていました。私たちのコミュニティに役立つシステムを開発したかったです。プログラミング技術(C言語、Javaなど)やインフラ関係、Oracleデータベースの技術を学習した後、 学生に対してアドバイスすることや技術を教えあうことに面白みを感じ、教育に関心を持ったのがきっかけです。
私は「高度情報処理科」を担当しています。学生の多くは高校を卒業してすぐ入学する18〜21歳ですが、30代の社会人経験者もおり、年齢層は幅広いです。「高度情報処理科」は3年制で、比較的若い学生が多いコースです。1クラスあたりの人数はおよそ50名になります。
教員は私を含めて専任が4名、非常勤が10名ほど在籍しています。私は1998年からOracle Databaseやオープンソースデータベースを扱う業務システム開発に携わってきました。他の教員もIT業界でシステムエンジニアとしての実務経験を積んでいます。
また、技術スキルの向上だけでなく、教授法や学生のメンタルヘルス支援に関する研修にも参加しています。最近では、発達障がいのある学生へのカウンセリング技法に関する講習を受講しました。
Oracle Academy: それは素晴らしいですね。授業では、データベース科目において Oracle Academy のカリキュラム全体を活用されているのでしょうか。
糠盛 創: Oracle Academyのカリキュラムは非常に内容が充実しており、技術的にも高度な内容まで網羅されています。そのため、私は学生のレベルやニーズに合わせて、教材の一部を抜粋し、わかりやすく整理した形で授業に取り入れています。スライドやケーススタディ、クイズなどの教材は一部簡略化しながらも、Oracle AcademyのDatabaseおよびJava教材は私たち教員にとって非常に価値あるリソースです。
Oracle Academy: Oracle Academy Cloud Program も利用されているそうですが、どのように活用されていますか。
糠盛 創: Oracle Cloud Infrastructure(OCI)環境を活用することで、非常にコスト効率よくクラウド学習を実現しています。OCIを使うことで、学生はクラウドコンピューティング、データ管理、デプロイメントの実践的なスキルを身につけることができ、これは就職活動においても大きな強みになります。授業では、Oracleの仮想マシンやAutonomous Databaseを紹介しています。3年次の前期「クラウドシステム」科目では、学生がVMインスタンスを起動し、PHPなどを使ってアプリケーションサーバーを構築し、Autonomous Databaseを作成してアプリと接続するところまで学びます。さらに、ストレージ、ネットワーク、コンテナ、セキュリティといった基礎概念についても教えています。
Oracle Academy: 学生の皆さんは、卒業制作や進級課題に OCI を取り入れていらっしゃるのでしょうか。
糠盛 創: もちろんです。昨年度の卒業制作では、学生たちはチームを組んで多彩なプロジェクトを制作しました。その中の一つのプロジェクトでは、JPagesを利用してWebコンテンツをページ分割するシステムを開発し、Oracle Cloud上にMySQLデータベースとWebサーバーを構築しました。バックエンドにはLaravelを、フロントエンドにはReactを使用しました。
他にもOCIやOracle Databaseを活用した卒業作品として、サイクリング支援サービス、タスク管理アプリ、スマートロックサービス、アルゴリズム学習アプリ、観光アプリや学内物品交換アプリなど、実に多彩な成果が生まれました。
また、次年度進級を判定する「進級制作」でもOCIを活用しています。学生2人1組で共通テーマに基づいてシステムを開発するのですが、昨年のテーマは「テーブルオーダー」—レストランやライブイベント向けの予約システムでした。
OCIを無償で利用できることは、こうした重要な制作活動を支える大きな利点です。
Oracle Academy: 将来的に、他の教材やリソースの導入もお考えでしょうか。
糠盛 創: 今後は、「Artificial Intelligence with Machine Learning in Java」のコースにも興味があります。将来的に関連科目の中でどのように活用できるか、また既存カリキュラムにどのように統合していけるかを検討したいと考えています。
Oracle Academy: 素晴らしいですね。最後に、教育以外で関心をお持ちの分野についてお伺いできますでしょうか。
糠盛 創: IT教育に携わる中で、自然と技術の進化そのものにも関心を持つようになりました。
特に、自動運転やロボティクスといった技術が現実社会にどう実装されていくか、あるいは金融やライフサイエンス分野への応用などに強く興味があります。
糠盛創様、Oracle Academyへの熱意と、学生たちの未来を支える教育に心から感謝いたします。